学校や職場などの健康診断でよく視力測定を行いますが、この視力とは、物体の形や存在を認識する眼の能力をいいます。
ただ「何か見えた!」と、見えさえすればいいというわけではなく、2点を2点として見分けることができることを基準としています。 ぼやけて2点が1点に見えてしまっては、視力のうえでは見えていないことになります。




「中心視力」 と 「中心外視力」
普段よく使う「視力」という言葉は、「中心視力」のことを指す場合がほとんどです。「1.2 だからよく見える」とか、「免許更新で 0.7 必要だ、」とか言ってるのは、すべて「中心視力」のことです。

実は、良い視力を得られるのは、網膜上の ほんの小さな一点だけで、その場所を「中心窩」といいます。その「中心窩」で見たときの視力を「中心視力」といいます。

中心外視力は、中心窩以外の周辺で見たときの視力です。一点を見つめているときに、その周りにボワァ〜と見えている視野の視力で、ここで文字を読み取ることは、かなり困難です。 

中心外視力は中心視力に比べると非常に不良で、「中心窩」からわずかにズレるだけで視力は大きく低下します。中心窩から視線が2°外れると視力は0.4、 5°ずれれば視力は0.1に下がります。






「少数視力」 と 「分数視力」
視力を「1.0」とか「0.1」というように少数で表すのが少数視力で、これは国際的な表現方法で、わが国でもこれが用いられています。 ところが、欧米では視力を分数で表すことが多く、これを分数視力といいます。 分数視力:「3/6」「20/20」などです。 分数視力は、なんだか慣れてませんので、今ひとつピンときませんね。私たちも普段使うことは皆無といっていいほどです。

最近は、グローバルな世の中ですから、海外の方とお仕事をされるような方の場合、ひょっとしたら会話のなかで視力のハナシがでてくるかもしれません。 分数視力のことを知らないと話がまったくかみ合わないことになります。 存在くらいは知っておくといいかもしれませんね。。

「遠見視力」 と 「近見視力」
遠距離(通常は5m)における視力を遠見視力、近距離(通常30cm)における視力を近見視力といいます。

学校や職場などでの健康診断で測定するのは、ほとんどが「遠見視力」です。「近見視力」は近くの作業が重視される職場など、一部で行われています。

「近視」の場合、裸眼での遠見視力が不良になります。

「正視(遠くを見ることに問題がない眼)」の場合の「老視(老眼)」では、遠見視力は良好ですが、近見視力が不良となります。

「遠視」の場合その状況により異なりますが、裸眼での視力は次のようになります。 ケース1.遠方・近方ともに視力は良い、 ケース2.遠見視力は良いが近見視力が不良、 ケース3.遠方・近方ともに視力が不良。


子供の「近見視力」に注意!
学校の視力測定では「遠見視力」しか測らない場合が多いので、その結果に問題がなければ安心してしまいがちですが、実は、「近見視力」に問題が隠れている場合が少なくありません。
「遠視」や「両眼視機能」の問題があるなどの場合、「近見視力」が不良となる場合があります。これらは、遠くがよく見えるために見過ごされがちですが、近くを見ることの負担が大きい為に「本を読みたくない」、「集中力が続かない」などの影響が起こる場合があります。

遠方とともに、近方の視力も確認し、問題があればきちんとした測定を受けることをおすすめします。

裸眼視力と矯正視力
メガネやコンタクトレンズなどをつけていない裸眼での視力を「裸眼視力」、
屈折異常(近視・遠視・乱視など)の眼をメガネやコンタクトレンズで矯正した視力を「矯正視力」といいます。
深視力
車の免許で大型や第二種運転免許をお持ちの方は、免許取得や更新の際に「深視力」の検査がありますので、ご存知かと思いますが、「深視力」とは、遠近感や立体感を正しく把握できる能力のことですです。

運転免許試験センター等では、「深視力」の測定は三桿計という計測器を使って行われます。
簡単にいいますと、計測器を覗き込むと中に三本の黒い棒が横一列に並んでいて、そのうち中央の一本が前後に動くようになっています。測定は、中央の一本が電動で前後に動きますので、三本並んだと思った時にボタンを押し、その距離の誤差を判断します。横一列ピッタリならパーフェクトですが、なかなかそうはいきません。合格基準は3回測定してその誤差の平均が2cm以下でなければなりません。



視力が良いにもかかわらず「深視力」が合格できないケースがよくありますが、これは、両眼のバランスが悪いことにより起こることがあります。 「深視力」は、良好な視力があることが前提ですが、それ以外にも両眼の総合的なバランスと能力が必要となる、まさに奥の深い視力なのです。 


当店では、近視・遠視・乱視等の測定はもちろんですが、それ以外にも両眼視機能の測定により、左右の眼のバランスを判断したり、眼の使い方のクセなどをみたりすることも行っております。 メガネでの矯正や、見方のトレーニングなどで「深視力」に合格できる場合もありますので、お気軽にご相談ください。





視力は、2点を2点として見分けることができることを基準としていますので、視力の良し悪しは、この2点間の距離が判断基準になります。 わずかに離れた2点でもわかる場合は視力が良い、かなり離れた2点しかわからなければ視力は悪いと言うことになります。

しかしながら、この2点間の距離を「視力の定義」と定めて測定を行う場合、測定距離は常に一定で行わなければいけないことになります。これは、現実的にはかなり不便なことです。

そこで、「視力の定義」としては、測定位置(結点)から2点を見たときの角度(視角)により表すことになっています。
視角「1′(1分)」をなす2点を識別できる視力を「1.0」、視角「2′」なら視力「0.5」、視角「10′」なら視力「0.1」となります。
※ 「1′(1分)」は、角度を表す単位で、「1°(1度)」の60分の1です。




視標は「ランドルト環」といわれるC字型のものを用いる方法が一般的です。
日本では、直径7.5mm、太さ1.5mm、切れ目の幅1.5mmのものを、5m離れたところから見て判断できる視力を「1.0」としています。
視角1′から正確に計算すると、直径7.272206.....mm、太さ1.454441.....mm、切れ目の幅1.454441.....mm.、となりますが、扱いにくい数字となりますので、便宜上 上記の寸法とすることを取り決めて、視力測定が行われています。











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