補聴器の基本的な役割は、音を大きくすることです。
周りの音を集めて大きな音に増幅します。これにより大きな音しか聞こえない方でも、小さな音が聞こえるようになります。
でも、、、 ただ音を大きくするだけではダメなんです。
とても使いやすい補聴器とはいえません。
というのも、
多くの難聴症状では、小さい音は聞き取れないが、大きな音は健聴者と同じように大きく聞こえるということが起こります。
「小さい音」と「大きな音」で聞こえの感度が異なるわけです。テレビのボリュームを下げたかのように、全てが小さく聞こえてしまうわけではないのです。
ということは、

快適な聞こえを得るためには、「小さい音」と「大きい音」を区別して、大きくする程度(増幅率)を変えないといけないことになります。
つまり補聴器は、やみくもに音を全部大きくしているわけでありません。 入力音を分析して小さな音は大きく、大きな音はほどほどの大きさで、、、 といった具合に、たえず調整しながら音を増幅しているのです。
※ 記載内容はデジタル方式の補聴器を想定しています。





「聞きづらい」と一言でいっても、どんな種類の音が、どの程度聞きづらいのかは、その方のお耳の状態によって異なります。
例えば、音の高さの違いによっても聞こえ具合は変わります。
音の中には「低い音」から「高い音」までいろいろあります。言葉の中でも「ア」、「ウ」、などは低いほうですが、「キ」、「シ」、「チ」などは高めの音声です。 この音の高さを表わすのに「周波数: Hz (ヘルツ)」という単位を使いますが、この周波数の違いにより聞こえが異なってくるのです。
詳しくはコチラ→「音について」  (※ 新規ページで開きます)
そこで補聴器は、
   ※ これをマルチチャンネルシステムといいます
たとえば、高音だけが聞き取りにくい方が補聴器を装用する場合、主に高音グループを増幅し、低音グループは増幅せずに出力します。
あるいは、中間音域が聞き取りにくい場合は、低音・高音はあまり増幅せずに、中間周波数域を主に増幅します。
聞こえてる音域まで大きくしてしまうと、「うるさい!」となってしまいますので、その方の聞こえに合わせて音質調整がなされます。
このような、音域に合わせての増幅率の設定は、あらかじめ私たち販売店のスタッフが補聴器にプログラムするわけですが、それ以後は、
※ 記載内容はデジタル方式の補聴器を想定しています。
補聴器の分野では、この、分類された音のグループの数を「チャンネル」という言葉で表します。4つのグループに分ける場合は「4チャンネル」、12グループなら「12チャンネル」と表現します。
この「チャンネル」の数は、補聴器の機種によって異なり、補聴器の基礎的な性能を判断するための重要ポイントです。スタンダード機種で2〜4チャンネル。高性能機種では16チャンネルもあります。
チャンネル数が多いほど、装用者の聞こえに合わせたきめこまやかな音質調整が可能となり、「オススメ!」と言うことになるのですが、チャンネル数の多い機種ほど高額なご予算が必要になってしまいます。
どんな選択をすればいいのか迷ってしまうと思いますが、
一般的な聴力特性の方でしたら、4〜8チャンネルくらいあれば十分調整可能な場合が多いです。
あとは、価格とのバランスを考えつつ、騒々しい所で使用することが多い方や、聞き逃しが許されない方の場合はチャンネル数の多いものを。そうでなければ、ほどほどのもので、ということになります。





補聴器をつけて問題となることに、うるさいとか、騒がしいなどの「雑音」という問題があります。
この雑音というのは実に厄介なもので、音の大小や高低というフィルターでもってしても必要な言葉と雑音を振り分けることは困難です。
あきらかに超高音な騒音や、ものすごく低い騒音など、言葉の分布する周波数域に属さないものであれば抑制可能ですが、言葉と同じような音域に含まれる雑音の場合には、抑制すると言葉の聞こえも抑制されてしまします。
では、どうするか、、、
この機能を活用して不要な雑音を識別できれば、その領域を抑制して騒がしさを抑えることができます。 完全に雑音を取り除くことはできませんが、補聴器に慣れていない方にとってはとても助かる機能です。
また、補聴器の器種によっては、分析機能により音の発生源がどこにあるのかを判断できるものもあります。
補聴器が音源の方向を把握することができると、騒がしい場所などでは横方向や後方からの音を控えめにして、前からの音を重点的に聞こえるようにすることも可能になります。
※ この波形は実際のものではなくイメージ図です。


 
実は、雑音にも種類がありまして、デジタル処理が苦手とするタイプの雑音もあります。
雑音のなかでも、エアコンの騒音だとか、大勢が集まるようなところでのザワザワした感じなどは、デジタル処理が得意とする分野でそれなりに軽減できます。
お隣の人たちの話し声も音声ですから、本来なら他の騒音に対して重視したい音になるはずですが、この場合は自分たちが会話をするにあたって邪魔になる音ですから雑音扱いになります。
このあたりの判断は非常に難しく、本人の主観に基づくものですから、それを機械が判断するということには無理があります。
健聴者の場合ですと、いろいろな音の中から自分が聞きたい音に集中して、その音を聞き取ろうとすることができるのですが、難聴者の場合は長年にわたり聞きづらい状態が続いてますので、このようなことが苦手になってしまっています。
聴こえの低下した状態は非常に静かな状態ですが、補聴器を装用しますと一気に音が豊富になります。
今までは、あまり聞こえていなかった音がたくさん入ってくるようになりますので、その中から必要な音だけを聞き分けるというのは、なかなかすぐに出来るようなものではありません。
補聴器という機械が行ってくれることにも限界があります。
よりよい「聞こえ」を得る為には、積極的に補聴器とお付き合いいただき、新しい音の環境にも慣れ、いろいろな音をたくさん聞くことで、以前には普通に行っていた「聴き取る」と言う作業を、今一度活性化していくことが必要ではないかと思います。
※ 記載内容はデジタル方式の補聴器を想定しています。





どちらも身体に装着して使うものですので、使用効果とともに安全性というものが重視されます。
その為、
それにより、補聴器製造業者や販売業者にも届出や認定などの義務が発生します。
つまり、一定の基準のもと、効果や安全性が確認されているもので、間違った扱いがなされないように管理されたなかで販売されているものになります。
一方、これに対して
販売するにあたっても特別な規定はありませんので、通販などでも多く扱われています。
その他、音質調整の機能に関しても大きな違いがあります。
器種により程度の差はありますが、大きな音が出すぎて耳を傷めないようにする安全機能や、聞こえの周波数特性を調整するもの、音の大きさにより増幅感度を変えたり、その他にも使いやすくする為のいろいろな便利機能があります。
それに対して集音器の場合は、きめ細かく対応していくほどの調整機能をもっているものは、ほとんど無いのではないかと思います。いくらか調整できるものもありますが、 じっくりと使っていくには少々物足りなさを感じるものです。
ただ、集音器がまるで使えないということではありません。
「聞こえにくさ」の程度が軽い方であれば、それなりに活用できることもありますので、「まずは気軽に使ってみたい」という場合には選択の1つとしてお考えいただくことも良いのではないでしょうか。





補聴器の価格は、低価格タイプで5万円前後くらい。 高品質なタイプでは40万円を超えるものもあります。
その他、機能は制限されますが簡易式のタイプで 2〜3万円くらいのものもあります。
ある程度の機能を搭載して使いやすく、お値段もほどほどのものですと、 10〜20万円くらいが一般的です。
価格の高いものほど高機能で使いやすくなるのは当然なのですが、使う方にとって必要な機能かどうかを検討することも必要です。 お使いいただく状況によっては、それほど高価なものでなくても十分にご活用いただける場合もあります。
ご相談の際には、どのような状況で、何を聞きたいか、また どんなことを重視したいか、そして、ご予算を教えていただけると、その中で、一番良いと思われるものをご提案させていただきます。
私たちは、なにも高額な補聴器ばかり販売したいわけではありません。
ご納得いただける価格のなかで、少しでも高い満足度が得られるような補聴器をお勧めしたいと思っております。







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